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 このたび「浜松・市民まちづくり懇話会」を立ち上げました。浜松市政について、市民の立場からいろいろな情報を提供したり、あるいは問題提起をしていきたいと思っています。

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浜名湖ボート転覆事故

 一昨年、浜松市内にある「静岡県立三ヶ日青年の家」で起きたボート転覆事故。この事故で一人の中学生が亡くなった。この悲惨な事故の背景には、最近どこの自治体でも行われている指定管理者制度というものがある。

 この青年の家、静岡県立であるが、業務は「小学館集英社プロダクション」が担っていた。本来ならば、静岡県立であるから静岡県職員が業務も担うべきである。

 この指定管理者制度、「民間活力の導入」、「民間でできることは民間へ」などと、財界などが主唱して公務員削減と地方自治体の経費削減を求めて、政府などが主導してきた制度である。その背景には、地方自治体などが行っていた事業を、民間企業が請け負うことによってそこから利潤を引き出そうというものだ。この場合でも「小学館集英社プロダクション」は、この青年の家の業務を担うことによって利潤を追求することになるわけだ。儲からない仕事に民間企業が参入してくるわけがない。

 しかし、本来地方自治体が行う業務というのは、利潤をもとめるものではない。利潤を度外視して、この「青年の家」の場合でいえば、おそらく子どもたちに水泳やボート操作などを集団で体験させることによって、子どもたちの成長を促し、楽しい思い出をつくることなどがめざされていたのだろう。そこに利潤追求の入る余地はない。言い換えれば、こういう場に利潤追求などあってはならないのだ。

 この事故、事故の二ヶ月前に静岡県から「小学館集英社プロダクション」へと業務が引き継がれたばかりであった。

 この事故について、国の運輸安全委員会が事故調査報告書を出したが、指定管理者制度を利用した静岡県教育委員会に「監督不備が重大である」ことを指摘している。

 「安全対策マニュアル」は、県が運営していたときと同じであったが、報告書では「経験のある人がマニュアルの不備を補っていた。経験則の差が事故の背景にある」としているように、指定管理者制度を利用しなかったら、中学生の死亡は避けられた可能性がある。

 最近、公務員の数を削減すべきだという声が大きくなっているが、日本の公務員数は、先進国でもっとも少ない。東日本大震災の復興などで、公務員数が足りなくて困っていることも話題になっている。公務員数を減らせ、といっているのは、民間企業の団体などだ。地方自治体が行う業務を、利潤追求の場にして儲けようという算段なのである。

 地方自治体の財源不足、「経営の効率化」ということで、アウトソーシング(民間委託)や、指定管理者制度などを地方自治体に導入させようとしてるが、そもそもなぜ地方自治体が財源不足になったのかはここでは述べないが、それによりどういう事態が起きているのかを知ったほうがよい。この浜名湖ボート転覆事故もその一つである。この点については、別の機会に記すつもりでいる。

 地方自治体などが行っている事業、全国では50兆円の「市場」となるという。公共サービスとして存在していた事業を、私企業の「私益」を求めるものへと変えることは正しいのだろうか。

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